【歴 史】
玉城町は三重県のほぼ中央部に位置し、その歴史は古く伊勢神宮のご鎮座とともに神領となり、倭姫命の巡行に随行して皇大神宮(内宮)の禰宜となった荒木田氏によって開拓されたとされる。
古来より神領であったことから伊勢参宮の宿場町として、また熊野古道伊勢路や伊勢本街道(初瀬街道)が交わる交通の要衝として栄えた。現在も、日本最古の天守台と言われ町のシンボル的存在である田丸城跡をはじめ、13社の伊勢神宮(内宮)の摂社・末社、茶道表千家の代表大工庄五郎の作と言われる、町指定文化財の「玄甲舎(げんこうしゃ)」や街道筋の道標、旧家が往時の姿をとどめており、歴史・伝統文化の漂う町である。
【交 通】
伊勢神宮を控えていたところから、鉄道の歴史も古く1893年(明治26年)に参宮電鉄が開通し、現在はJR参宮線として町の中央部を横断しておりJR田丸駅が設置されている。
一方、町の南部丘陵地を伊勢自動車道が横断しており、玉城ICが設けられている。
また、北に隣接する明和町から南は度会町を経て熊野灘(太平洋)に面する南伊勢町までを繋ぐ広域農道(通称サニーロード)が縦断し、玉城ICとの直結により、伊勢志摩地域への玄関口の役割も果たしている。
【産 業】
パナソニック㈱伊勢工場、京セラドキュメントソリューションズ㈱玉城工場、美和ロック㈱玉城工場といった大手メーカーが立地するほか、1684年創業の醸造醤油メーカーも存在する。
一方で、広大な耕作地帯が広がり、米作をはじめ、野菜、果実、花卉などの栽培が盛んで、農業も町の基幹産業となっている。また、肉牛、養豚などの畜産も行われている。
〇主な果実
・いちご(かおりの、章姫、よつぼしなど)
・ぶどう(デラウェア、巨峰、シャインマスカットなど)
・柿 (早生次郎柿など)
・梨 (幸水、豊水、秀玉など)
〇主な畜産物
・玉城豚
・松阪牛
【偉 人】
朝日新聞の創設者で玉城町名誉町民第1号となった村山龍平や、1902年寒天とデンプンから柔軟オブラートを生成する方法を発明した医師小林政太郎などの偉人を輩出している。